青森と東京から車が500台ずつ出発したらどこで出会う?
「恐山に行きたい!」
またしても、うちの姫様がワケの分からないことを言い出した。
夕食後にテレビを見ていたときのことだ。
私は洗い物をするのに台所にいたのだがのぞいてみると、怖い話みたいなのをやっていて恐山が出ていたのだ。
なるほど、私も青森には行ったことがない。
恐山というのは下北半島のはずだ。
ならば、いっそのこと本州最北端の大間にでも行って、北海道を見ながら日本一うまいというマグロでも食べてこようではないか。
「ねえ、前に日本一長い国道は4号線て言ってたよね?」
確かに言ったね。
その通りだよ。
「それってどこまで行ってるの?」
青森だよ。青森県青森市だよ。
ひょっとしてこういう展開を想定して前もって調べてた?
「じゃあ、ちょうどいいじゃん!ムチャツアー青森編やろうよ!」
…つまり、高速を使わずに一般道で青森まで行こうってことね。
国道4号線を走破しようってことね。
まあ、私もこういうのは好きなほうなので、ほんじゃいっちょやってみんべぇか、ということになり愛用の携帯電話auのサービス「EZナビウォーク」でどのくらいかかるかを調べてみると…。
「あのー、おかあちゃん、よんじゅうよじかんて書いてあるんだけど…」
そりゃそうだ。仮に大間まで1200キロとする。
平均時速(つーか走ったり止まったりを含めた平均速度ね。これを鉄道用語で表定速度って言うんだけど。確か。)40キロとして1時間で40キロ進んで、10時間で400キロ進んで、それが3倍で1200キロになるから…、あ、この数字はそれほど間違ってないよ。
こりゃあ、丸2日かかるぞい。
じゃあ高速で…11時間か。
これを実行するには交代しながら青森まで行きたいのであなたが免許を取るところから始めておくれ。
しかし、いつ行こうと思ってたのさ?
「次の3連休。(キッパリ)」
次の3連休っていうと…明日からじゃん!
本気だったわけ?
さて次の日、午前中テレビを見ていると、仙台のことをやっていた。
仙台。
杜の都、青葉城、さとう宗幸、牛タン、笹かまぼこ、楽天イーグルス、ずんだ餅…。
仙台までなら400キロはないはずだ。
次の瞬間私はこともあろうか女房にこう言っていた。
「オイ、これから仙台行くぞ。」
これには女房が驚いた。
「え?本気?」
本気も本気。
行っちゃえば何とかなるだろう。その代わり行くのはクルマ、最悪野宿という条件付きだ。
お昼に家を出て、夕方近くに仙台に着いた。
夕食はもちろん牛タン!
食べたのは「利久」というお店。
牛タン丼に牛タン塩焼、それにタンシチュー。
いま牛タンは高価らしく量が少なめらしいのだが、元の量を知らないから気にならない。
おいしかった。
ごちそうさん。
それから宿探しを始めたが何とか格安の手段で確保できて宿泊。
部屋は○コ部屋かと思うほど狭かったけど、風呂に入れるだけ幸せだ。
こうして就寝。
次の日は早めに起きて、青葉城を見学。
ったって青葉城はとっくになくて石垣がある城址公園があるだけなんだけど。
それから、塩釜経由で松島へ。
塩釜で昼メシを食おうかどうか迷ったけど、松島に行きたかったので塩釜には寄らずに松島に急ぐ。
ところがこれが大誤算!
松島周辺はクルマも人も大混雑!
さすが日本三景。
なめちゃいけない。
なめてたね。
すんません。
しかし、捨てる神あれば拾う神あり。
渋滞中で、どの駐車場も満車状態にもかかわらず、すぐ横の駐車場が1台空いたのだ!
ラッキー!
別に捨てられてないじゃん。
…こんなところで運を使っちゃって良かったんだろうか?
まあいいじゃん。
というわけでタナボタで速攻駐車。
観光船は高いので、見るだけにとどめ(ケチ)、瑞巌寺にお参りしさっき運を使っちゃったのでおうちまで無事に帰れるようにお祈りした。
それから少し遅めの昼食。
ここに来て仙台の名物である私の大好物を食べていないことに気がついた。
「すんませ~ん!生ガキくださ~い」
おいしかった。
私には、東北に来たなら絶対に行きたいところがあった。
そこに行くにはちょっと足を伸ばさなければいけない。
試しに電話してみると拝観時間は17時までとのこと。
あと3時間ある。
これなら行けるかな?
よし!行くぞ!
とダッシュで奥州平泉の中尊寺へ向かった。
ここは、どうしても行きたかった場所で、なんとか16時に到着。
日没にはまだ時間がある。
しかし、大混雑。
異常な大混雑。
観光地なのは分かる。
私が来たがってたくらいだから。
しかし、それにしたって混みすぎじゃないかい?と思って周りを見回してようやく分かった。
大河ドラマの影響なのだ。平泉は義経終焉の地ではないか。
恐るべきは公共放送。(国営放送ではない)
それでも、本堂も金色堂もしっかり見学し、ここでも帰りの無事を祈願して帰途に就いたとき女房がこう言った。
「中尊寺って…なに?」…ヘイマイワイフ、キミはどこまでナイスな子なんだい。
今見てきたじゃん!
結局、帰りはところどころ混雑していたので6時間かかったがそれでも無事に帰宅することが出来た。
これも瑞巌寺と中尊寺のおかげだろう。
…さっきから後ろで女房がなんか言ってる。
「ねえ、鳥居がいっぱいある所って京都だっけぇ?」
あのぉ、うちから京都は550キロあるんだけど。
今週末また連休?わーお。
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