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2006年1月14日 (土)

またも殿様のお見舞いへ。

殿様とはうちのジイさんのことである。
清瀬の病院に転院していたのだが、具合が悪いこととあまりにも遠いので、元々いた中野の病院に再転院となった。

しかし、今日母親から、「昨夜おじいちゃんの血圧が50まで下がって、呼吸が止まった。油断できない状態だから見に行ったほうがいい」と電話がかかってきた。
そりゃ、いくらなんだって良くないのですぐにでも行きたかったが、午後から研修が入っていたので、それが終わってから病院に駆けつけた。

病院に行ってみると、顔色はいいし、表情もハッキリしている殿様がいた。
なんだ、大丈夫そうじゃないか。
「元気?」と声をかけてみる。
元気じゃないから入院してるのは承知の上だ。

すると殿様こう言った。
「おじいちゃんはね、いま危篤状態なんだよ。」
自分で危篤だという患者には初めてお目にかかった。

きちんとしゃべれるし、バイタルも血圧が上は90、場合によっては100を突破しているし、酸素も100が出たりする。
「酸素」とは酸素を取り込んでいる率のことで100が最高である。
これだけ見れば、まったく元気な普通の年寄りに見える。

こんなことも言っていた。
「なんかね、昨日かな。みんなが周りで騒いでるんだよね。それで何かな?と思ったんだけどおじいちゃんね、血圧が下がりすぎちゃったんだって。」
そりゃ大騒ぎにもなるわいな。
なんとも本人にはノンビリしたものである。
ちなみに、そのときに呼吸も止ったんだってよ、とは本人には言わなかったけど。

そんで帰り際に看護師さんに「ご家族がいる間に吸入してください」って言われたので、やろうと思ったら、なんと殿様自分で吸入器をもって吸入を始めたのである。
世にも稀な「自分で吸入をする自称危篤患者」である。

時間になったので、「困ったらココを押して看護師さんを呼ぶんだよ」って言ったら、殿様が「ここに置くのは作戦がいるんだよ。ここに黒を置いたら、ここに白を置くだろ。そうすると角が挟まれるから…」と言い始めた。
最初は何のことだか分からなかったのだが、どうやら囲碁のことのようだと分かった。
ナースコールのボタンを碁石に見立てて囲碁の解説を始めたのである。
ちなみに殿様は囲碁が大好き。
私もまねごと程度なら打てるので元気なら相手してあげられるのにな、と思った。
そういえば、このボタンの上にあるスピーカーの網目が碁盤に見えないこともない。

「じゃあ、明日も来るから囲碁の話は明日聞くね。」と言って帰ってきた。
女房に「殿様は妄想が見えてあんな話をしたのだろうか?」と言うと「違うよ、おじいちゃんは帰って欲しくないから引き止めようとして何でもいいから思い浮かんだ話をしたんだよ。」と言われた。
本当にそうならそれはそれでいいんだけどさ。

昨日も寝てから異状があったっていうし、寝る前に起こることはちょっと警戒しているのだ。
明日もお見舞いに行くことにしよう。

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