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2006年2月22日 (水)

巨匠への道。

最近、我が家の近くにラーメン屋ができた。
どうも、ここのところ新しくできるラーメン屋には美味しいところが見あたらない。
私の住んでいる世田谷は美味しいラーメン屋がたくさんあることで有名だが、新しい店に関してはそれが当てはまらない。
しかし、私はラーメン大好き。
どんなラーメンかと早速出かけてみた。

店は、こじんまりとはしているもののなかなかの雰囲気がある。
なんというんだろうか、歌人の相田みつをのような文句が店中に書いてある。
こういうのを最近よく見るのだが流行っているのだろうか。

店に入る。
客の数は少ない。
できたばかりの店はたいがいこんなものだ。
店員が私に気づき「いらっしゃいませ!」とあいさつをする。
威勢がよい。
ここで、元気のないラーメン屋はまず美味しくない。
私が入るまで談笑していた店員たちが私の顔を見た話すのをやめる。
店に緊張感が走る。
まあ無理もない。
このあたりのラーメン屋で私の顔を知らないのはハッキリいってモグリだ。
自分ではそんなつもりはまったくないのだが、このあたりではラーメンマスターとして名を馳せているらしい。
おかげで味に関係なく、気楽にラーメンを食べるときにも警戒されているような気がしてならない。

さっそくラーメンを注文する。
値段は500円。
最近の相場からすると決して高くはない。
むしろ安いほうだろう。

注文して5分ほど経ったろうか。
ラーメンが運ばれてきた。
丼を差し出す店員の手が緊張しているのがこちらにも伝わってくる。
別に取って食うわけじゃないし、まずくても暴れるわけじゃないからもう少しリラックスして欲しい。

スープは、茶色で少し濁った感じ。
魚系のダシのニオイがする。
具はチャーシューに、メンマ、ネギ、モヤシ、味付けタマゴ、それに最近では珍しいホウレンソウ。
500円の割にはけっこう豪華な具である。
麺をすくってみるとタマゴ麺だろうか。
中太の縮れ麺で黄色がかっている。

スープを飲んでみる。
醤油ラーメンなのだが、これは醤油トンコツというのだろうか。
濁っているのはそのせいだろう。
しかし、魚の味がかなりしっかりとする。
トンコツと魚なんていう組み合わせは味がケンカしてしまってまとまらないことが多いのだが、このスープは見事だ。
麺もカンスイを使っていないので臭みやクセがない。
しかも麺は丸くカットされていて、短めの麺だ。
食べやすくてよい。
それに、少し濃い目のスープが麺によく乗ってきてうまい。
具のチャーシューはバラチャーシューだろう。
バラ肉を巻いてジックリ煮込んだと思われる軟らかいチャーシューだ。

最初は、おそるおそる食べ始めたのだが、おいしいラーメンだと分かったので食べるペースが一気に速くなる。
その瞬間、店内の空気と店員の緊張感が緩むのが分かる。
私の食べ方で店の評価が決まってしまうからだろう。
そんなつもりはないのに。

食べ終わって、勘定を払う。
「ごちそうさま!美味しかったよ!」
私はあまり「美味しかった」という言葉を口にしないというのを知っていたのだろう。
店員からは口々に「ありがとうございました!」という声が飛んでくる。
みんな私が店内に入ってきたときの表情とはうって変わって満面の笑みをたたえている。
店の中央で特に深々と頭を下げているのは店長だろう。
私に認められたことでこの店をやっていける自信がついたということだろう。

しかし、食べ物屋というものはラーメン屋に限らず日々味の変わっていくものだ。
私は、一回行っただけでは「うまい」とは言わない。
ただし、「まずい」とも言わない。
しばらくして来てみて、この店の味がどう変わっているかが楽しみだ。
味を保っていればそれは大したものだ。
そのころには私が入れないほど客で繁盛しているかもしれない。
実際そういう店は今までにいくらでもあった。
逆に味が落ちているようなら、残念だがこの店はしょせんその程度の店だった、ということだ。
そんなことを考えながら店を後にした。

…という夢を見た。
海原雄山か、あたしゃ。


2/23追記:最後から2行目をデカい字に変更しました。というのも、私の母親もこのブログを読んでいるらしく、今日会ったら「ねえ、近くに美味しいラーメン屋できたんでしょ?連れてってよ。」と本気で言ってきたからです。最後までちゃんと読めっつーの。

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コメント

出かけて帰ってから見たら、母が言った所が直してあった、よく解りました。

投稿: 美智子 | 2006年2月24日 (金) 00:20

母へ。
わかればよろしい。

投稿: くうみん@管理人 | 2006年2月24日 (金) 00:24

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