美術や文化に造詣の深い夫婦。
タイトルにウソ偽りがありまくりである。
「ぞうけい」なんてパソコンで変換すりゃいいけど、書けって言われたらかけねーや、べらんめえ。
日付が変わっておとといの土曜日上野の東京都美術館で行われている「プラド美術展」に行ってきた。
女房が「行きたい」と言ったのだ。
一応この人は美大を出ている学芸員さん。
いまは普通のサラリーマンだけどね。
母の日も兼ねて、女房の母親も連れて行った。
チケットは私が買った。
夫のカガミであり、ムコのカガミである。
自分で言うなって。
こないだやっていた「パール展」に「連れて行ってやる」、と言ったにも関わらず行かなかった際に、正面切ってではなく「…行きたかった」とボソッと言われた経緯があるため、今回の私のアクションは早かった。
「行きたい」と言った次の日にはもう前売券を購入しに行った。
プレイガイドに行ったらなんと前売券は売り切れで当日券と同じものしかないという。
交通費かけてここまで来た意味ないじゃん!
でも、ここで買わなかったら何しに来たかわかんないので買っていくことにした。
しかも、私が「プラハ美術展」だと思い込み、そのように店員氏に伝えたのでなかなか伝わらなかったことを付け加えておく。
会場の東京都美術館というところには行ったことがないのだが、そんなに広くはないらしい。
展示作品数が81点しかないからだそうだ。
だから空いてるだろう、と女房は言う。
でも、会場が狭い分同じ来場者数なら混むんじゃないだろうかと私は思った。
結果、私の勝ち。
確かに81点しかないがずいぶんな混雑だ。
ブラド美術館というのはスペインにある。
…と、偉そうなことを言うが当日行ってみて初めて知ったんだけどね。
で、スペインにあるため宗教画、つまりはカトリックの絵が多い。
いろいろな画があったのだが、キリストの画というのが多い。
こういう西洋画の面白いところは想像で描いた絵が多いということだ。
だって、キリストに会った人っていないし、写真が残ってるわけでもない。
それでも、いい画が多いところに西洋画の魅力があるんだろうけど。
キリストのエピソードで好きな話がある。
十字架で処刑された後、復活したキリストが弟子達の前に現れる。
でも、キリストが復活したって信じない弟子達。
そりゃそうだよな。
そこで、キリストは服をめくって「なら見てみる?指入れてもいいよ。」って槍で刺された傷に指を入れさせるのだ。
ちょっと面白くない?
ずいぶんシャレの聞いた茶目っ気のある人だと思う。
実際この画も飾ってあった。
それぞれの画に解説が貼ってあり「…というところから美術界では…というように解析する向きが多い。」みたいなことがたくさん描いてある。
「でも、本人はこんなこと考えて描いてないよね?こういう研究結果ってあとからついてくるもんなんでしょ?」と聞くと我が家の学芸員さんは大きくうなづいた。
そらそうだろう。
私も論文やら文章を書くときがあるけど、読んだ人から「コレはこうでこうこうこんな意味なんですよね。深いなぁ。」とか言われると、「ああ、読んだ人はそう取るんだなあ。」と逆に感心したり、「そ、そうですよ。」とちょっと見栄を張ったりすることはよくあるもん。
ちなみに、そういうものを書くときはここでの文章みたいに殴り書きで書かないでちゃんと一応の推敲はしている。
このブログの文章はいわば、生の思い付きをそのまま書いているので支離滅裂になることが多い。
…と、書くと私の論文はいかにも素晴らしいように見えるが、残念ながらそんなことはない。
どっちやねん。
あと、気になったのが展示の仕方。
油絵がほとんどなのだが、大きい画が多いこともあるせいか、照明で反射しちゃってよく見えない角度があるのだ。
女房のお付き合いで何度も美術館に行ったことはあるけど、こんなことはなかったような気がする。
と、女房に言うと「展示する位置が全体的に高過ぎ。あと20cm下げれば全然違う。照明は少ない照明を当てるんじゃなくてたくさんのルクスの低い照明を当てるの。照明は一点に集中させない。そもそも照明はもっと高いところから当てなきゃいけないの。ここは天井が低くて美術館としてはイマイチ。」だそうだ。
そこまで言う?
うちの女房はどっちかっていうと、日ごろはポケーっとしていて頼りない感じの人なのだが、やはり専門分野になると違う。
私のまったくわからない部分なので、この短時間でよくそこまで見てるもんだなぁ、と感心した。
私が女房に感心する数少ない瞬間だ。
で、帰りは母の日ということでお食事をして帰ってきた。
そこで問題。
忘れてることはなんでしょう。
正解は、私の母親の母の日をまだやっていないこと。
さっき姪っ子を送っていったのに弟と相談するの忘れた。
さてと、どうしよう。
母親殿、失念しているわけではないのでそのうちやりますから。
…寝ていい?
明日仕事だし。
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