山に登ってきただ。
奥多摩湖に築堤がある。
バスは、この築堤のすぐ横に停まる。
登山口はその先にあるらしい。
確かに、「御前山登山口」と書いてある。
この時に、初めて「今日登る山が御前山」ということを知ったのだった。
オイ。
そしたら注意を書いた看板が。
「クマが出ます」。
奥多摩でもクマなんて出んのかよ!
…たぶん大丈夫だろ。
ウン。
さて、靴紐をしっかり結び直し、いざ山にアタック!
なのだが、いきなりガクゼンとした。
なぜならば…。
いきなりとんでもない急攀なのだ!
壁だ、壁!
もうとんでもないよ!
100メートル進んだら100メートルは登ってるんじゃないだろうか?
…さすがにそりゃないか。
それじゃ1000パーミルだもんな。
45度だもん、そんなにはないわ。
でも800パーミルぐらいはあると思うぜぇ、これ。
もうホントによじ登る感じで進んでいく。
200メートルも行ったところで早くも息が切れて休憩。
今日の山登り大丈夫なんだろうか?
ここで不覚にも荷物を持ってもらうことにした。
なっさけない。
情けないけどここで帰るわけにもいかないしなぁ。
一緒に行ったシゲちゃんが聞いてくる。
「くみちゃん、体重何キロぐらいある?」
たぶん83、4ぐらいだと思うけど…。
「じゃあヘタすりゃ今日だけで3000キロカロリーくらい消費できるよ。」
え?マジ?
3000キロカロリーって半端な量じゃないよ。
でも、このペースならなんとなくそんなこともあるかもしれない、って思えてきた。
それにさ、山登りって登っただけで「ハイ、おしまい」っていうわけにいかないじゃん。
下山までは強制的に運動しなきゃいけないわけ。
しかし、この体重は山登りにはソンだなぁ。
斤量が重すぎるわ。
オレの場合、アコちゃんが自分を背負って登ってるようなもんなんだぜ。
アコちゃんはシゲちゃんの奥さんね。
しかし、この急攀はどこまで続くんだぁ。
距離はそんなに稼いでないんだよ、登ってるだけで。
だから、あっという間に麓の景色が下の方に見えるようになってきたんだけど、その景色は遠くはなくてホントに文字通り眼下にあるのだ。
途中で一緒に行ったウメちゃんが「くうみんさん、歩幅は短くして登った方がいいですよ。」とアドバイスをくれる。
大股で登っているつもりはないんだけど、なんせ足が短いからどうしても大股になっちゃうのよね。
それでも、それでも、それでも~~!!!
なんとか急攀を登りきって最初の山のポイントであるサス沢山に到着。
それが、ここにも載せたこの光景!
見事に奥多摩湖が眼下のそう遠くない場所に広がっている。
ホントに真上に向かって登って来たんだなぁ。
そこから先も決してラクではなかったんだけど、次の惣岳山に到着。
ぶひぃ。
でも、ここは木立に囲まれてあんまり景色が良くないので先に行こう。
ちょっと行くと木が切れていてそこからのぞいてみると…。
うひょ~!
こりゃすげー!!
これもご褒美だなぁ。
ちなみに、ごらんいただいている通り、この日は雲ひとつないどっピーカン。
朝は涼しかったのに汗が滝のように流れてくるで。
そしてそして!
やっと目的地である御前山に到着!!
ごらんのとおり標高は1405メートル。
この辺の山では高い部類に入る。
よく頑張ったよ、私。
みんな荷物持ってくれてありがとうね。
ココからは下りなので自分で持ちます。
帰りはそれなりに大変だったけど、尾根伝いに下りてきて沢歩きみたいになった。
私とて元は野性児。
こういう沢歩きは大好きなのだ。
しかも道なき道を歩くみたいで冒険心を満たすにはぴったりだ。
途中にはきれいな水が流れていたり、ちょっとした滝があったりして楽しい。
私は新しい登山靴がホントに水を通さないかどうかジャブジャブ入ってみたりした。
ちなみに念のため言っておくがココは東京都である。
東京にもこんなところがあるのだ。
この水は下に向かって流れていき、最終的には多摩川となって海にそそぐ。
ところでこの日のために買った登山靴だが、本当に効果があったのか?
あったのだ。
下りが特に違った。
踏む場所を選んで気を使わなくってもいいっていうだけで大きな違いなんだけど、滑らないし、変な所に力が入らないし翌日の筋肉痛も、前回に比べたら全然まともだった。
ありがとう、ダナーの登山靴。
そして、帰りは奥多摩駅の近くにある「もえぎの湯」で入浴。
コレもよかった。
温泉に入ると翌日の筋肉痛は確実に違う。
それからホリデー快速に乗って新宿へ。
私はまたも奥多摩を発車する場面は覚えておらず、目が覚めたのは中野の手前での緊急停車だった。
結局、この緊急停車は何でもなかったんだけど。
帰りにみんなで新宿で慰労会をやって大騒ぎしたのだった。
確かに山はいい。
適度な運動であるし、私でもなんとかなってしまう。
また行くときには声をかけてほしい。
…でもレベル的には今回の山が限界だな、こりゃ。
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