ター滝。
滝というものはよく考えたら不思議なもので、川の途中にある一定以上の段差があって流れ落ちなければ存在できないわけです。
当然ながら都会にはそんなものはないわけで、「遠くにありて思うもの」じゃないけど、郷愁を誘われる人がいるわけです。
我が家にもそんな人が約一名おりまして、今回の沖縄旅行は滝めぐりをしよう!ということになりました。
そんで、前もって調べてみたんですが沖縄といえば海。
海の情報は山のようにあるのですが、やんばるに代表される山、殊に滝の情報となると驚くほど少ないのです。
ないなら自分で作るしかないじゃんか!
なので、こりゃあ、実際に行ってみなきゃしょうがないなぁ、ってことになりました。
さて、先ほどの前田食堂で腹ごしらえをして、最初の目的地の滝である「ター滝」に向かうことにしました。
沖縄の背骨である国道58号線の平南橋(へなんばし)を曲がります。(①)
どっちに曲がるかは言わずもがなです。
だって片っぽは海だもん。
ちょっと行くと「ター滝」の看板が出てきました。(②)
道はあっているようですね。
そばにある看板の「ダチョウらんど」も気にはなりますが、今はター滝を目指します。
そこからちょっと行くと橋があって、道が二つに分かれています。
分かれているってゆうか、左に進む道があります。(③)
どっちかというと人のうちに入っていくような感じですが…。
でも、水の流れ落ちるような音がするのです。
滝かなぁ…。
ま、行ってみましょうか。
そこで、左の方に入って行ってみました。
なんか道の脇に家があります。
やっぱり人んちかなぁ。
でも誰もいないのでさらに進んでいくと…。
滝ですわ。
間違いなく滝です。
東京から来た軟弱な都会モンにはものすごく立派に見えます。
さらに近付くとこんな感じです。
でも、これってたぶんター滝じゃありません。
地図を見てもちょっと違う気がするし、さっきの看板から2キロも来てません。
でも、ター滝じゃなくてもこんな立派な滝があるのです。
じゃあ、戻りましょう。
帰り際、来る時に通った家に人がいました。
「ここってター滝ですか?」って聞いたら「違うよ」と一言。
やっぱそうですか。
車に戻って少し進むとこんな看板が再び登場。(④)
やっぱりこの時点でさっきのがター滝じゃなかったことが確定。
近くに作業をしていたオジサンがいましたので場所を訊いてみたところ「この先のね、二股を下」って言われました。
道路を下に曲がるっていうのは…。
ま、行きゃわかるか…。
ちょっと行ったら道が2つに分かれています。
左に行く道は山の上の方に伸び、右に行く道は山の下の方に伸びています。
なるほど、さっきのオジサンの説明は的確だったわけですね。
さらにちょっと行ってみるとクルマがたくさん止まっている場所に出ました。
ここに来るまで一台も車とはすれ違わなかったのでものすごく違和感があります。
どうやらここがター滝の入口のようです。
…ようなんですが「ここがター滝の入口です」って書いてないんですよね。
しかも聞こうにも人がいないんです。
しかも車を止める場所がありません。
お向かいに民家があって「駐車場500円」て書いてあります。
ま、背に腹は変えられません。
民家に車を入れました。
…が、お金を払おうにも人がいません。
おうちで声をかけましたが人が出てきません。
しょうがない。
ちょっと心は痛みますが後でまた人を探してみて、それでもいなければそれはそれでしょうがない。
では、ター滝散策に出かけるとしましょう。
まずは、この瀬を越えなければいけません。
写真を見ればお分かりかと思いますが、真ん中の砂利が見えている部分は浅くて、その両脇はちょっと深くなっています。
でも真ん中が浅いって言っても50センチはあります。
ここからは「道なき道」ならぬ「川ある川」を進んでいきます。
道はなく、川の中をジャブジャブと進んでいくわけです。
ここでは東京で買ってきたメッシュの「ウォーターシューズ」が大活躍です。
…というか、ウォーターシューズじゃなきゃ進めません。
今年はウォーターシューズが流行っているのでけっこうカンタンに手に入りました。
ところどころは岸が川の上に出ているのでこういうところは歩きやすくて助かるんですが、砂利が靴の中に入って困るっちゃぁ困ります。
しばらくはこんな感じで20センチくらいの水深がある場所を進みます。
砂利が細かいので滑ることはありませんが、慎重に進みます。
ふと脇を見ると、緑豊かで心なごみます。
でも、よく見るとそこは沖縄。
まぁ、見事に熱帯のジャングルでシダやらなんやら見慣れない植物が生い茂っています。
ここで、滝から下ってきたオバサマ集団とすれ違います。
この先どうですか?
「そんなに大変じゃないわよ」
そうですよねぇ、まあオバサマ方が笑顔で戻ってくるんだからそんなにキツくはないのでしょう。
そしたら、目の前で何かが飛んでいます。
なんだろ?
よく見たらトンボです。
でも体が緑色で、羽が黒という見たこともないトンボです。
たぶん、沖縄の固有種なのでしょう。
後から調べてみたら、どうも「リュウキュウハグロトンボ」のようです。
さらに進むと、川が深くなり流れも急になります。
なので、川の中ではなく岸を進むようになります。
急な所にはロープが張ってあってアシストしてくれています。
場所によっては反対側の岸に渡らないと進めない場所もあって、ここは川を渡らなきゃいけません。
ここって子どもも、それこそさっきみたいなオバサマ方も多いのですが、岩場とかけっこうキツイところもあって、思ったよりは進み応えがあります。
さて、岩場を越えると…。
ドン!
出た!
これがホントのター滝です!
なんたって目の前に滝が落ちてくるわけですからそんじょそこらの滝とは迫力が違います。
昔からテレビで見たことのある「滝に打たれる修行僧」ってのをやってみたかったのですが、ここでやったら首がおかしくなりそうなのでやめました。
しかし。
すげーよ!
ここ、ホントすげー!
今まで人生で最高の量のマイナスイオン浴びていることは間違いありません!
「滝のような雨が降る」って表現がありますが、ホントの滝はあんなもんじゃありません。
しかし、こんなに滝から離れてるのに本当にまるで雨みたいに滝が降ってくる…と思ったら…。
これ本物のスコールだ!
雨が降ってきてしまいました。
しゃあない、引き上げましょう。
結局滝には10分くらいしかおりませんでした。
あ、言い忘れるところだった。
帰りに車を停めた民家で声をかけたところ、家の方がいらしたのでちゃんと500円お支払いしました。
しかも、更衣室も水道もあって、トイレもあったのでむしろそっちの方がよかった、と助かっちゃったのでした。
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