長門屋の氷水。
夏は暑いものだ。
暑いが故、人は涼を得ようととさまざまな方法を用いる。
一番手っ取り早いの冷たいものを食べたり飲んだりすることだろうか。
その中でもかき氷というのは代表的な夏の食べ物だろう。
まず夏以外には食べない。
私はかき氷というのは体に良くない食べ物ではないかと思っている。
なぜなら頭が痛くなるから。
体にいい食べ物ならこんな苦痛は伴わないはずだ。
これは正式名称を「アイスクリーム頭痛」と言って冷たいもので三叉神経が刺激されて起こる。
なので、いくら暑い日でもかき氷という選択肢はよほどのことがない限り私の中ではあり得ない。
その「よほどのこと」が善光寺に行くと起こりうる。
仲見世の隣に「長門屋」という店がある。
夏に善光寺に行くと必ずと言っていいほど立ち寄る。
実は朝10時に来たのだが、まだ閉まっていて開店は11時とのこと。
殿様商売だなぁ、とも思ったのだが、よく考えたら近所のラーメン屋だって昼時に合わせて開店するんだから普通だわな。
…と思い、いったんはあきらめて戸隠に行ったのだが帰り際に時間ができたのでやっぱり長門屋に寄ることにした。
店構えはこんな感じ。
この店では「かき氷」のことを「氷水」と呼ぶ。
長野ではこう呼ぶのか、この店だけなのかよくわからないが、この呼び方をするところは多い。
しかし、東京生まれの私にとってみるとこれはどうもしっくり来ない。
私の中で「氷水」と言えば、レストランに入ると出てくる氷の入った水のことだ。
しかし、ここは郷に入っては郷ひろみ、私も「氷水」と呼ぶこととしよう。
店内に入って注文をする。
この店には、かき氷だけでなくラーメンやそばなどの麺類や食事もメニューにあるのだがなんせかき氷、いや氷水しか頼まないのでよく知らないのである。
氷水を食べる…いや、飲むのかな?
おばあちゃんは飲むって言ってたな。
かき氷なら食べるだけど、氷水は文字通り「水」なのだから飲む、というのが正しいのか。
氷水を飲むなら下手な色や具はついていないのがいい。
つまり砂糖水をかけただけのものが一番好きだ。
いわゆる「スイ」とか「みぞれ」とか言われてるヤツだ。
この店では「並」と呼ぶ。
これがそうだ。
なぜかわからないけどこの店の氷水はうまいと思う。
シロップもなんとなく違う気がする。
地元の新聞などでも「おいしいお店」として何度も取り上げられている。
何が違うんだろう?
たぶん、氷の欠き方違うんだと思う。
縁日のかき氷みたいにザラザラしていない。
氷の粒ではなく、高級なかつお節のようにしっかりと薄く欠いてあるのだ。
なのでか、量自体は少ないのかもしれない。
だって同じ量の氷を薄く欠いたらフンワリするから同じ器なら出来上がった氷水の量は当然少なくなるもんね。
魔女(母親)も「なんとなく物足りないわね」なんて言っていた。
しかしだ。
氷水なんてものはこのくらいの量でちょうどいいのだ。
あんまり食べ過ぎるとおなかを壊しますわよ。
さて、東京に帰りましょうか。
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