東急池上線と東急バス、乗り継ぎの道。
こないだ、ちょっとたまたま所用で蒲田に行くことがあった。
用事を済ませ、さて三軒茶屋まで帰ろうとなった。
ルートはいくつかあって一番単純なのは品川を回って渋谷経由で帰るパターン。
でも蒲田なんてメッタに来ないし、なんか変わったルートで帰りたい。
そこでバスだけで帰れないかと考えた。
で、三軒茶屋に行くバスに接続するようなバスを探してみたのだがどうも該当するものがない。
田園調布ゆきのバスがあったので、これに乗って田園調布から渋谷ゆきのバスに乗ってもよかったのだが、このバスはよく乗っていたのでどうにも食指が動かない。
駅まで戻って気がついたのだが、よく考えたら私は東急池上線という電車にはほとんど乗ったことがない。
ならば乗ってみよう。
池上線なら、途中の長原で降りれば環七を走る大森から新代田ゆきのバスがあり、これが比較的三軒茶屋の近くを通るはずだ。
それにこのバスのこの区間は乗ったことがないはずだ。
五反田まで行っても近くを通るバスがあるはずだが、長原という途中のバス停から乗ることに魅かれて長原で降りることを選んだ。
まずは東急蒲田駅。
ここには池上線と、昔は目蒲線と呼ばれていて、現在では多摩川から先が目黒線となったために改名した東急多摩川線(これが正式名称)が走っている。
見慣れた…というか懐かしい東急のスタンダードな車両が停まっている。
手前が池上線、奥が東急多摩川線の車両だ。
何げない風景なのだろうが、私は東急の蒲田駅に来たのは初めてだから新鮮だし、ましてや両線とももうすぐアマゾンライダー(歳がわかるなぁ…)のような7000系に置き換わってしまうので、この風景も貴重なものになるかもしれない。
さっそく池上線に乗り込みすぐに発車となる。
そういえば池上線といえば「池上線」だよなぁ。
前にカラオケで聞いたことがあるなぁ。
あれは西田佐知子だっけ?
いや、それは関口宏の奥さんだよなぁ。
ありゃあ「コーヒールンバ」だ。
西島三重子だっけ、確か。
そんなことを考えていたら線路は右に分かれてカーブしていく。
曲がりきったところが最初の停車駅、蓮沼。
ここから、武蔵新田とか鵜の木とか続くんだっけ?
そんなことを思いながらドア上の路線図を見上げてみる。
違うわ。
武蔵新田とか鵜の木は東急多摩川線だ。
どうもごっちゃになっている。
私は鉄道マニアだが、いまだにこの東急のデルタ地帯はよくわからない。
次の停車駅が池上線が池上線という名前たる所以である、池上。
この駅名板、久々に見たなぁ。
田園都市線はほとんど新しいのに変わっちゃってるから。
私からすると、「この駅名板こそ東急!」って感じがするけどねぇ。
ここ池上は日蓮宗の大本山・池上本門寺の最寄り駅である。
毎年10月のお会式には大変なにぎわいを見せるそうな。
そして次の千鳥町を過ぎると久が原。
駅前にスーパーサミットがあるのだが、高校時代の同級生で数少ない一般企業に就職したNくんが以前にこの店に勤めていたので何度か車で来たことがある。
そして次の駅が御嶽山。
「みたけさん」ではなく「おんたけさん」である。
木曽ではない。
れっきとした東京だ。
次の駅は雪が谷大塚。
ここには車両基地があり、検車区がある。
実質ここが池上線の中心であり、実は東急多摩川線の担当もここで行っている。
世田谷線も上町に車両基地があるが、じつはあそこは雪が谷検車区の上町班なので、ここが本店ということになる。
蒲田から長原まで乗る中で唯一の島式ホームだった。
次は石川台。
大田区にある駅なのだが、世田谷区でも東玉川などはこの駅が最寄り駅になる場所がある。
世田谷区は広いのだ。
次が洗足池。
実はこの洗足池には前出のNくんが住んでいたので、一時期は入り浸るほどしょっちゅう来ていた。
ほとんどがクルマかバイクだったので、電車で来たことはないと思う。
朝起きたら道路に停めてあった車がなくなっていて、田園調布警察署に取りに行ったのも今となってはいい思い出だ。
洗足池という名前は日蓮上人が当時に行く途中で、この池で足を洗ったからという説がある。
さっきの池上駅のところで書いたとおり、このあたりは日蓮上人に縁が深い土地なのでこの説は結構有力なのではないかと思う。
ちなみにこの駅前には当たり前だが洗足池があり、幕末維新の立役者、勝海舟夫妻の墓があることで有名だ。
勝海舟という人は写真が残っているが小柄ながらそれなりの器量をしている。
なのでモテたのか、実に女性関係に華やかな人物だったらしい。
海舟の妻、民子は海舟が没して6年後に亡くなっているが、その直前に「あの人のそばにだけは埋めてくれるな」と遺言を残したそうである。
しかし現在は夫婦仲良く洗足池のほとりに並んで眠っている。
そして長原に到着。
ここで下車。
池上線はワンマン運転を行っているため、ホームには柵が設置されている。
電車がホームで動いている最中に柵外のセンサーに反応すると非常ブレーキがかかる仕組みになっている。
…たぶん。
これね。
また、車両は3両編成のためホームの端の方は柵で仕切られて入れないようになっている。
こんな感じだ。
なので、この場所で電車の写真を撮るのも一苦労。
柵を背中に寄りかかってしかも上体を反らせて一番引きで撮ったのがこの写真。
ふいい。
そのうち貴重品になるやも知れぬ。
ついでだからと、もう一枚反対側のホームに来た電車も撮影しておいた。
実を言うと本当は歌舞伎塗色の車両を撮りたかったのだが、何台か待って見ても現れなかった。
私だってここでひたすら電車を待つほどヒマではないし、そんなに本数がやたらとある路線ではない。
しかも主夫にはこのあと夕食作りが待っているのだ。
さて、蒲田から長原までは190円。
その手前や周辺の駅は運賃が安いのに、なぜか長原だけ190円。
そして190円なら終点の御殿場…じゃねーよ、五反田まで行ける。
なにか引っかかったのだが…。
なんだろう?
長原の駅を出ると改札に「環七」と右に矢印があったのでそちらに出てみる。
すぐ右側を見ると交通量のかなり多い道路が目に入ったので、あれが環七だろうとあたりをつけて行ってみると果たしてそうであった。
そしてバス停は環七に出たすぐの場所にあった。
もう少し探すのに難儀するかと思ったのだがちょっと拍子抜けした。
その後、新代田駅前行きのバスで帰ったのだが、車内で気がついた。
…この路線、乗ったことある。
そう、私が乗ったことのないバス路線は五反田からの路線だったのである。
五反田まで行っちゃやぁよかったなぁ。
そっか、さっき引っかかってたのはこれだったのか。
…ま、いいや。
新しい楽しみが増えたってことだしな。
さ、晩ご飯なににしようかしら?
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