正月の掘り出し物。
昨日、お正月なので実家に行ったところ2つほど掘り出し物がありました。
まぁ、んな大したモンじゃないんだけど…。
ひとつ目は「英和辞典」。
英和辞典といってもただの英和辞典ではありません。
それは「井上英和大辭典」。(「辭」は「辞」の旧字。)
見ただけでもかなりの年代物ということがわかります。
「井上」の文字が右書きになっています。
INOUYEの表記も現代とはちょっと違っています。
1ページめくるとこんな感じ。
井上十吉さんが書いたそうです。
辞典で「著」ってのもすごいですね。
でもいつごろのものなんでしょ?
最初のページに発行者からの挨拶が載っています。
表紙の横書きは右書きでしたが、ここは英和辞典らしく左書きになっています。
一番下の出版年を見てみると…。
なんとビックリ、大正4年!
殿様(私の祖父)でさえ生まれていません。
すごいな、コレ。
肝心の本文はどうなっているかというと…。
さすがに英和辞典なので当然左書きになっています。
しかし、旧かな遣いで、旧字がたくさん使われていて、しかも文語体で書かれているので日本語の部分すらすんなり読めません。
おじさん曰く「こりゃ日本語を読むための辞典が必要だな…。」
そのとおり。
奥付を見てみると、発行者が「東京市日本橋区本石町」、印刷者が「東京市本所区」となっています。
歴史を感じますね。
ちなみに価格はというと…。
2円50銭。
当時は映画が20銭だったそうです。
映画は現在1800円。
ということは10銭は現在の900円くらいです。
そうすると当時の2円50銭は900円の25倍で…22500円。
けっこう高額です。
当時、英和辞典を作るということは現在とは比べ物にならないくらい苦労を要したのでしょう。
しかしこの辞典、一体誰のものなのかはだぁれも知らないそうです。
ちなみにこれが今ならどのくらいするかというと…。
90年も前のものですからねぇ。
おじさんは「1万円は堅い」って言ってたんだけど、調べてみたら古本屋では4500円くらいで取引されているようです。
これまたおじさんが「そんなのはおかしい!」って言ってたけど原価が2円50銭だからねぇ。
1800倍のお値段が付いてるわけでそれはそれですごい。
そうそう、この辞典90年前のものなんだけどページを開いても製本がしっかりしていて、90年経った今でもバラけたり破けたりしない。
かなり高度な製本技術が使われているようです。
それに紙も黄変が少なくいい紙を使っているのがわかります。
これには驚きました。
今の価格で22500円もしたのが納得行きます。
ふたつ目の見つかりものは「百人一首」。
魔女(私の母親)は7人兄弟で、女が3人続くんですが、その3姉妹は「百人一首っていえばさぁ…」「蝉丸だよねぇ、蝉丸!」と盛り上がっています。
私が学生時代にも蝉丸は坊主なのに人気の的でした。
なんでどこでも蝉丸が人気なんでしょう?
おじさん曰く「蝉丸は坊主のくせに頭巾なんかかぶってるから坊主だかなんだか分かんないから」だそうです。
なるほど、わかったようなわかんないような。
引き続きの3姉妹。
「百敷や…」「ももしきや、古くなっても捨てないで…」「短く切ってサルマタにしよう!」「アハハハ!!」
…それ、昔から聞いてます、ワタシ。
しかもそれって蝉丸じゃなくて順徳院です。
みんなが帰った後、私と女房が残ってたんですが、おじさんの提案で坊主めくりをしました。
ここで百人一首に行かないところが我が家です。
ま、百人一首をやるには結構な場所が必要だからね。
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