祝!殿様92歳。
「オレにできないことは子どもを産むことと、クモの巣を作ることだけだ。」
私の祖父である殿様の言葉である。
実際、殿様は昔から器用な人で、タンスがなければ自分で作るし、子どもたちからすべり台が欲しいと言われればこれまた自分で作る。
殿様、すべり台を作るときに一番大変なことは?
「すべり板をつなぐ釘がすべった時に引っかからないようにうまく釘を打つことだな。」
なるほど、実際に作った人の言うことは含蓄がある。
私が小学生の頃には夏休みの工作の宿題の相談に行ったりもよくした。
殿様は隣にあった材木屋で木切れをもらってきて、それを鑿で削って鉋をかけて船なんかを作ってくれるのだが、そうゆう時に限って「これ、どう見ても小学生が作ったんじゃないじゃんよ~」とゆうようなリッパな船が出来ていたりする。
尤も、そんなのを持ってったって夏休みの工作の宿題のグランプリはヤクルトかなんかの容器で作ったバカデカい戦艦もどきかなんかだったりするのが小学生ならではのご愛嬌だったりするわけだけれど。
殿様は大工だったかというと全然違って印刷屋である。
これだけ器用なのにそれを職業にしたことはない。
器用貧乏の典型のような人で、私の器用貧乏も間違いなく殿様に似たと思われる。
孫である私だけではなく、7人いる子ども(私のおじおば)の中でも、学校の先生の資格を持っているのに先生じゃなかったり、イラストがものすごくうまくてもイラストレーターじゃなかったり、英語がペラペラでも通訳じゃなかったりと家族全員がその才能を飯の種につなげない器用貧乏の集まりである。
そんな殿様も今日で92歳。
わが家のゴールデンウイークの締めくくりは毎年殿様の所に集まってお祝いをするのが通例なのだ。
示し合わせなくても、家族それぞれがこの日は自然に柏餅を持って集まってくる。
おかげで山のように柏餅が集まり、わが家の家族のみんなが大好きなみそあんの柏餅を頬張る。
…のだが、今年は拠ん所ない事情で私は殿様の所には行かれない。
私が5月5日に殿様の所に行かないのは初めてかも知れない。
さすがにもうタンスやすべり台を作ることはないが、テーブルの上にゴミがあるとちょいちょいと紙を折ってごみ入れを作ったりしている。
この歳にしては大した手先の器用さである。
手を動かしていないと落ち着かないようだ。
だからこそ92歳になっても首から上は矍鑠としているのかも知れない。
また改めてお祝いに行くこととしよう。
殿様、くたばるまでどうか元気に長生きして欲しい。
まだまだ孫は殿様を頼りにしているのだから。
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コメント
殿様お誕生日おめでとうございます。
わたしのお爺ちゃんも90歳になりました。
女子が大好き❤
かかりつけの病院の看護婦さんと
仲良くお喋りするのが生きがい!?
気分はまだまだ若いです(笑)
GWの間、PCからは遠ざかっていましたが、けやき小の開校記念日は5月2日です。
どうしてそうなったのかは、謎!!
でもまぁ大人の都合でしょうね(* ̄ー ̄*)
持ち切れない荷物は誰かに一緒に運んでもらうってのはどうでしょう?
『持ちつ持たれつ』
因みに私はいっぱい持てないタイプ。
『いっぱいいっぱい』とはこの事か?
だから持ってもらってばかりでございます…
それはそれで良しとしている(笑)
投稿: あゆっぺ母 | 2010年5月 6日 (木) 17:32
あゆママちゃん。
おぉ、長様もそんなお年ですか。
しばらくお会いしてませんがお元気そうでなにより。
うちの殿様も女の子大好きなんだろうな。
というよりあの人の場合は自分の話を聞いてくれる人ならオールOK。
オレと一緒で話すことによって酸素を取り入れてるからね。
そうだねぇ。
誰かに荷物を少し持ってもらうのはいいかもね。
持ってくれる人探さなきゃ。
投稿: くうみん@管理人 | 2010年5月 7日 (金) 12:26