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2010年7月 3日 (土)

マグノリアの花たち。

「『マグノリアの花たち』って映画知ってる?」
女房が聞いてきました。
名前だけは聞いたことがあります。
ジュリア・ロバーツが出てるヤツだよね。
「ネットで見てたら良さそうだから見てみたいなぁって思って。」
おお、いいんじゃないの?
そう言ってDVDを借りてきました。
 
結論から言うと久しぶりに「いい映画」を見ました。
アメリカ南部を舞台とした女性6人の友情の物語なんですが、ホントに普通の日常を描いています。
なのに素晴らしいのです。
 
素晴らしいといえばキャストの豪華さにもビックリしました。
サリー・フィールド、シャーリー・マクレーン、オリンピア・デュカキスにジュリア・ロバーツとアカデミー女優が揃い、その他にダリル・ハンナ、ドリー・パートンが出演しています。
すっげーキャストでしょ?
 
ネタバレなりますが、ジュリア・ロバーツ演じるシェルビーの結婚式から映画は始まります。
でも彼女は糖尿病を患っていて医者から妊娠は避けるように言われているにも関わらず妊娠し、息子のジャックを出産します。
その結果、合併症が起こり腎臓障害を患います。
シェルビーは母親であるマリンから生態腎移植を受け持ち直し、幸せな日々を取り戻したと思った矢先、シェルビーは合併症で死んでしまうのです。
 
サリー・フィールド演じる母親のマリンが葬儀のときに言うセリフが素晴らしいのです。
ここは、丸々引用させてもらいます。
 
そのとき私、思ったの。
私はなんて幸せな女だ。
素晴らしい命がこの世に誕生したときにこの手にもらい受け、去っていくときも共にいたって。
私にとってかけがえのないひとときだったわ。
 
でも、そのあとマリンは感情を爆発させ泣き叫びます。
 
私は大丈夫!
私はテキサスまでジョギングで往復できるわ!
でもあの子はできない!
一生できなかったのよ!
なによ!
腹が立ってもうどうしていいかわからないわ!
誰か教えてよ!
どうしてシェルビーの命は終わってしまったの?
どうしたらジャックに自分の母親の素晴らしさを教えることができるの?
母親が自分のためにどんな苦しみを乗り越えたか…。
神様教えてください!
どうして!
どうして!
納得いくように教えてください!
ダメ!
イヤ!
イヤ!
こんなのってないわよ…。
私が先に逝くのよ!
私、ずっとそのつもりでいたのよ!
こんなのってないわよ…。
こんなのってガマンできない!
誰かを思いっきり殴って私と同じ思いをさせてやりたいわ!
誰でもいいわ!
思いっきり殴ってやりたいわ!
 
前者は母親としての素晴らしさが滲み出る、後者は人間として、そしてこれも母親としての素直な感情の表現です。
 
こんなに取り乱されると周りはどうしていいのかわからなくなりますが、そこはそこで女同士のステキな仕掛けがあるのです。
これは見てのお楽しみ。
 
見終わっていい映画だったな、と女房を振り返ったらもうボロボロになっています。
母親を亡くしたばかりの女房の心の琴線に響いたようです。
おばあちゃんに見せたら大変なことになってしまうでしょう。
 
元々は舞台作品だそうで、ところどころにその雰囲気を感じます。
 
原題は「SteelMagnoria」。
直訳すれば「鋼のマグノリア」ですかね。
「マグノリア」というのは木蓮のことで、アメリカの南部であるミシシッピ州とルイジアナ州の州花なんだそうです。
本当に強いのは女性なんですね。
それこそ「鋼のマグノリア」です。
それに引き換え男ってのはオマケですね。
ホントに。
 
もちろんどのシーンもいいのですが、私の特筆はシャーリー・マクレーンですね。
憎まれ口を利くけどみんなに愛されてる役なのですが、彼女でなければ出せない素晴らしい演技です。
女房が「あのおばさん役の人、あんな役じゃなかったらもっとすごいだろうね!」
そりゃあ、シャーリー・マクレーンですから。
「だれそれ?知らない」
うーん、私もウマい説明のしかたが見つかりません。
女房に彼女のすごさを教えてあげるにはどうすればいいでしょうか?
なんにしても一度は見ておくといい映画です。
特に女性にはおススメしますよ。

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