年をとるということ。
いま、殿様(私の祖父)が入院しています。
特にどこが悪いということはないのですが、食事やトイレに介助が必要で、呼吸が乱れたり熱があったりするので、リハビリ病棟的な場所に入院しています。
ここは4人部屋で、殿様以外に3人のおじいちゃんがいます。
ひとりは身動きもしません。
ひとりは昔なにかの仕事をしてたのか、英語ばっかりしゃべり「オージャパンベスト」「あなたはジャパニーズ?」とかずっと言ってます。
ひとりは車椅子に座ったまま「寝かせてくださ〜い」とずっと叫んでいるのですが、昼間寝てしまうと夜ベッドで暴れるし、ただでさえ昼間起きてても暴れるので拘束帯を使われています。
いつかは自分もこんな風になるのかと身につまされる思いがします。
それと同時にこのおじいちゃんたちにも80年、90年分の人生があってそれを生きてきたんだよな
…そう考えるとなんだかとても切なくなります。
さて殿様。
食事は流動食。
誤嚥を防ぐためにとろみがついています。
はい、口をふさいで飲み込んで。
…うまくいきません。
はい、口をふさいで飲み込んで!
そしたら殿様に「それがすぐにできたら苦労はしないよ!」と怒られてしまいました。
その時、私はハッとしました。
うちの殿様はなんでもできるので忘れていましたが、彼とて92歳の老人には変わりないのです。
殿様は我々が「目をつぶったまま右と左の薬指をピッタリつける」とか「目をつぶったまま片足立ちしてバランスを保ち続ける」ような大変な思いを毎日していることに気がつきました。
「当たり前のようにできたことができなくなる。」
これが年をとるとゆうことなのです。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント