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2010年12月30日 (木)

甲州街道、完全走破大作戦!

私が以前からやってみたかったこと。それはお江戸日本橋から始まる五街道のひとつである甲州街道を終点からたどってみることです。
以前に東京側から走って行ったことがあるんですが、そのときは甲州街道の最後の宿場は下諏訪宿というのがわかって、あまりの遠さに甲府付近で挫折したのです。
なので、軽井沢から帰るのに反対方向から帰るんであれば、ぜひとも以前からの念願を達成したかったのです。

しかも、今日は高速道路が1000円均一ではない平日です。
高速道路に乗る距離はなるべく短くしたい。
せめて1000円くらいだな。
そう思って調べてみると、ETC割引を含めた料金で更埴から諏訪までがだいたい1000円くらいということが分かりました。
じゃあ、ってことで更埴までは一般道で行くことにしました。

しばらくは雪もなく順調だったのですが…。
上田市に入る頃に少しずつ雪が降り始めました。
わさーっ!という感じではないのですが、うっすら白くなってきました。
雪の碓氷峠を避けるためにこちらに来たのに、こっちで降られるとは何とも皮肉です。
それと同時に、女房の実家のある長野市にはエラい雪が降るじゃないか、何も雪は軽井沢だけに降るんじゃないんだ、と自分に問いたもうしてしまいました。

それでも、特に問題なく更埴インターまでたどり着き、長野自動車道に乗りました。
そしたら、「更埴~豊科 降雪注意」の文字が。

…そうだ。
来るときに調べたらこれ出てたじゃないか。
豊科?
通らないじゃん、ノープロブレムじゃん。
そんなことを思っていたので、ここまで完全ノーマークだったのです。
…バカ、バカ、バカ、ワシのバカ。

でもチェーン規制は出ていません。
急ぐ旅でもなし、のんびりと走って行けば大丈夫でしょう。
それに北から南へ走って行くワケですからそのうち雪もやむでしょう。

…そしたら、ぜんぜんやまねーんでやんの。
走れど走れど雪降りやまず。
でも、道路がうっすら白くなる程度なので大丈夫なのかな?とも思うんですが危ないのは路面凍結。
軟弱な都会のバカが、調子に乗って走って行ったら痛い目に遭うことは火を見るより明らかなのでやっぱり慎重に行くことにしました。
結局、岡谷から中央自動車道に入り、諏訪湖で晩ご飯を食べることにしたんですが、ここまでしっかり雪は降り続いていました。

さ、さぶい!!

さて、諏訪インターで降りて甲州街道の起点を探します。
正確に言うと国道20号の起点です。
あ、終点かな?
終点と呼びましょうか。

国道20号はすぐに見つかりましたが、東京と反対側に走っても終点は見えてきません。
「ホントにここらであってんの?」
女房が聞いてきます。
だって、甲州街道の最後の宿場は下諏訪だもん。
もし諏訪市じゃなくても隣の下諏訪町にはあるはずだよ。
「ひとつお聞きしますが、甲州街道と国道20号っていうのはイコールなんですか?」
…はい?
「この地図を見ますと、国道20号の街道名が『中山道』になってるようですが、甲州街道の終点は下諏訪でも、国道20号の終点はもっと先ではないのですか?」
…え?
慌てて地図を見てみると、果たしてその通りで、国道20号は諏訪市から下諏訪町、岡谷市を抜け、塩尻市内で塩尻峠を越えたところに終点があるようです。
終点かは分かりませんが、この交差点の先は国道19号になっています。
あうち!
しかもすぐそばの塩尻インターはさっき通って来たところです。
さらにあうち!
距離的にはクルマで20分というところでしょうか。

「もう、こっから帰っちゃえば?」
女房が言います。
しかしだ!
ここまで来て終点を見ないのではあとで後悔するじゃないか!
終点から通ってくるのが正しいあり方ではないか!
あとで誰かに話をするときに「甲州街道全部通って来たことあるんだぁ。…終点から20分以外の場所は。」って言うのか!
年を取ったときに「ああ、なぜあのとき塩尻で終点を見なかったのか…」後悔しても遅いんだ!
やらないで後悔するより、やって後悔したいんだ!
そうは思わんかね?
え?
「全然。」
女房即答。

…あの、いや、ね、ほら、確かにそうは思うんですけどここはひとつつきあってくださいよ。
ガソリン代自分で出しますから。
まぁ、あのこんな男とメオトになったことが運のツキだと思って諦めていただいて…。
でも、軽井沢に来たのはお前の用足しだからこんなに私が卑屈になることもないんだけどな…ということは言えず、でもなんとか押し切って国道20号の終点に着きました。

ここは非常に親切で「国道20号 終点」という看板が立っています。

街道マニアとしてはこうゆう看板が出ていてくれると非常に助かります。
場所によってはものすごく飛んだ場所から続きがあるような道路もありますからね。
この写真の撮影は女房にお任せしたのですが、「うおーきれーに撮れねーぜ!ちょっくら行ってくるぜ!」と張り切って撮影して来てくれました。
この人も最初に興味がなくても、巻き込まれて興が乗ってくると張り切ってくれるのよね。
さすがO型。

ちなみにこの時間の塩尻峠の気温は氷点下3度。

やはりこの時間になると軽井沢よりも気温は下がりますなぁ。
ちなみに「この時間」というのは午後10時です。
これから一般道だけを使って東京まで帰るってゆうんですからまさに無謀です。
果たして自宅には何時に着くのでしょうか?

道路というゆうのはですね、実はあまり代わり映えのしないものなのです。
そりゃそうです。
だいたい舗装されていて、クルマが通っているのが道路であり国道なのですから。
ただ、この辺りは同じ甲州街道でも新宿のような広い道ではなく片側1車線の対面通行です。
この辺の変化は面白いですね。

先ほど通って来た岡谷市、下諏訪町、諏訪市を抜け、やっと本格的に東京方面に帰り始めます。
次は茅野市。
そこから富士見町に入ります。
この辺りは比較的山道です。
しかし、それにしても長野県というのはデカイです。
軽井沢からここまで来てもまだ長野県なのですから。

こりゃあ山梨県に入るにはまだまだかなぁ、なんて思っていたらけっこうアッサリと山梨県北杜市に入りました。
ここは昔は小淵沢町と呼ばれていたところですね。
北杜市なんて言われてもよくわかりません。

それから韮崎市に入り、甲斐市に入ります。
そしてこれも比較的アッサリと甲府市に入り、そして抜け、笛吹市、甲州市と抜けます。
この辺りからはまた山道になり、かなりのカーブの連続があったあと、圧巻の笹子トンネルを通ります。
このトンネルを通るたびに先人の苦労に敬服せざるを得ません。
今度はぜひ旧道を通って笹子峠越えを果たしたいと思います。

それにしても…。
北杜市とか甲斐市とか笛吹市とか甲州市とか…。
私も山梨にゆかりのある人間ですが、どこのことなのかさっぱり分かりません。
もう少しなんとかならないんですかね。
合併の際に一番揉めるのは市の名前ということは重々承知の上なんですが。

笹子トンネルを抜けると、少し大きな大月市の大月駅前を越え、ここからは上野原市。
また、山道が続いています。
助手席ではいつの間にやら女房殿が爆睡中。
ま、いっか。

そして、上野原市を抜けるとようやく神奈川県です。
相模原市に入ります。
…どこが相模原市じゃい。
ここは合併前まで藤野町と相模湖町と呼ばれていたところです。
相模原市というのはかなり大きく、合併後は政令指定都市に移行しこのあたりはまとめて相模原市緑区と呼ばれています。
ただ、相模原市の中心部とはかなり差があります。
いいとこですけどね。

そしたら、女房が起きました。
「いまどこ?」
もう神奈川県に入ったよ。
「中央道次のインターどこ?」
相模湖。
「どっから高速乗るの?」
以前来たときに挫折したところを確認したら次のインターから乗ろうと思ってたんだけどね、結局どこだか分かんなかったんだよね。
「高速代、いくらしそう?」
時計を見たら2時近く。
0時から4時までは、平日でもETC割引でで半額になります。
相模湖から八王子までは1区間だから500円くらいかな。
八王子からは別料金で600円で、合計1100円の半額で550円くらいかと。
「この先って大垂水峠越えるんでしょ?効率悪い。高速のってよし。」
へーい。
とここは素直に高速に乗ることにしちゃいました。
ま、ここから先はしょっちゅうクルマで来てますから意地になって一般道で帰ることもないかと。

中央道に乗り、小仏トンネルを出ると東京都八王子市です。
我が家までもそう遠くはありません。

そしたら、東京都に入ってすぐの山の隙間から大きな三日月が見えました。
それが、今まで見たこともないような大きさで、それが真っ赤なのです。
血の滴るような…までは行きませんが異様な色です。
女房も「うわ!すげー!」とビックリしています。
美大を出ていらっしゃる色の専門家、あれは、何色って表現する?
「んー…、柿?」

は?
柿?
なんか、「血の滴るような赤い月が…」といえばおぞましさが伝わりますが、「柿のような…」って言ったらなんだか美味しそうです。
やはりこの人には美術の才能はたくさんあっても、国語の才能は少ないようです。
そうですね…例えるなら「炎のように燃える月」ってところでしょうかね。
悪魔が降りてきそうな月でした。

でも、しばらく走った再び見えた月は普通の大きさで、色もこれまた普通の黄色でした。
月とゆうのはいろいろな大きさに見えたりするのですが、科学的にいってもそれは気のせいでどう考えても同じ大きさでしか見えないそうなのです。
理屈からしたら確かにそうなんでしょうけど、なんだか不思議な気がしますね。
なんだったんだろうね、と女房と話していたら、これまた後部座席のハウスの中で爆睡していたはずの愛犬ピノコがいつの間にか起きています。
「さっきのおつきさま、とまとみたいでおいしそうだったちゃん!」
いいねぇ、お前さんは幸せで。

そんなこんなで、そのまま無事に家にたどり着きました。
時間は2時半。
まあ、順当なところじゃないですか?
前から気になっていた甲州街道も走破したので、今度はどこにしようか考えたいと思います。
この考えてるのが一番楽しい時間なんですよね、ええ。

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