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2011年8月21日 (日)

包丁研ぎの真髄を学ぶ。

予定通り、とゆうかなんとゆうか、おばあちゃんのお墓参りにいってきました。
途中でお花を買って、ケーキを買って、お墓の前でハッピーバースデー。
ほかにお墓参りの人もいなかったので、オペラ歌手ばりのテノールで熱唱してきました。

途中から愛犬ピノコがソワソワ。何かと思ったら、お供えしてあるショートケーキが気になるようです。
「とおちゃん、これたべちゃだめ?」
もうちょっと待つの。
おばあちゃんがいいって言ったらいいよ。
「いま、おばあちゃんがいいっていったちゃん!ぴのこにはきこえたちゃん!」
ホントかね?
私と一緒で動物が好きだったおばあちゃん。
ピノコの訪問にも大歓迎でしょう。
じゃあ食べていいよ。

でも、全部食べたら食べすぎ!
なので、ケーキを包むビニールについたクリームだけを舐めさせてあげました。
「おいしいちゃん!おいしいちゃん!!」
もちろんピノコは大興奮。
口の周りがクリームだらけです。
きたねーなー、もー。

さて、まだ時間もあるしどっか行く?
「じょいふぉーに行きたい!」と女房が所望します。
じょいふぉーとは瑞穂町にある巨大ホームセンターの「ジョイフル本田」のことです。

ここは五日市。
じょいふぉーは瑞穂。
確かに同じ西多摩ではありますが遠いんじゃ…、と思ってナビで調べたら14キロだって。
あきる野、福生とたどっていけば次は瑞穂です。
ま、そんな遠くもないか。
そんなワケで行ってみることに。
道も順調だったせいか、30分もかからないで到着しました。

そしたら店内に見慣れないコーナーが。包丁の売り場なのですが、その場で研いでくれるようです。
ちょっとのぞいてみると、「包丁研ぎの体験もできますよ」って店員さんが声をかけてくれました。
包丁はいつも研いでいるのですが、実は最近研いでも切れ味が出ないような気がしてならないのです。
そこで声をかけると、「では、実際に研いでみてください」と。
確かにそれが一番確実なので、目の前で研いでみました。

店員さんは「さすがに慣れていらっしゃいますね、動きがいい」と。
まあね、と。
でも、「ただ、包丁を当てる角度が動きますね。一定でないとうまく研げません」と。
そうだよなぁ。
自分ではわからないけれどやっぱり動いてたか。
「包丁を当てる角度が変わると、VではなくUになってきてしまって、研いでも膨らんだところだけを研ぐことになるので刃がつかないのです」とアドバイス。

がーーーーん!
思い当たります。
思い当たりまくります。
実は、包丁を使い始めた最初のころは研げばちゃんと切れるようになったのですが最近は研いでも切れ味が出なかったのです。
つまり、最初のころは刃もちゃんとVだったので研げば大丈夫だったけれど、未熟な私が研ぐことによってUになってきてしまい、研げなくなっていた、と。
つまり、原因は私だった、と。
さいでっか…。

では、これを解決するにはどうしたらいいですか?
「粗研ぎの砥石で膨らんだ部分を落として、肉厚を薄くしてやらないといけないですね。でも、これはうちでもグラインダーという機械を使ってやるくらいですので大変ですよ。お持ちいただければやりますが…。」
でも、うちは世田谷なのでおいそれと来られないのです。
ほかにはどこかありませんか?
「千葉の成田の手前に千葉ニュータウンというところがあってそこに…。」
それはひょっとして、白井のじょいふぉーですか?
それならさすがにここのほうが近いです…。

じゃあ、機会があったら持ってくるとして、それまで素人らしくジタバタしてみます。
実は私、中研ぎと仕上げ研ぎの砥石は持っているのですが、粗研ぎ用の砥石まではいらないか、ってことで持ってないのです。
ほかに気をつけることはありますか?
「砥石は平らでないといい刃はつきません。」
確かに。
砥石を平らにする(これを「面直し」という。)ための砥石ってありましたよね。
うちの砥石は今まで面直ししたことはありません。
ということで、粗研ぎ用と面直し用の砥石を買って帰りました。
女房は「買わされちゃったんじゃないのぉ?」とか言ってきたのですが、店員さんに言われたことに心当たりがあったし、納得もしたので別に買い物には後悔もなんもしてません。

買って帰ったらすぐに実行しなければ気が済まない、早速マンの典型的なB型の私。
砥石を取り出して説明をひとまず読んでみました。
ほとんどが知っている内容でしたが、面直し用の砥石の説明書きの一部分に目が止まりました。
「面直し用の砥石でこすって、砥石は角を落とします。ケガや欠けを防ぎます」だって。
へぇ、そうなの?
でも、こんなのしなくていいよね。

買ってきた砥石と、うちにあった砥石を30分ほど水に浸けて準備完了。
まずは、粗研ぎの砥石を取り出しました。
これは新品なので面直しの必要はありません。
早速切れなくなっていた野菜包丁を取り出しました。
あ、いちおう断っておきますけど、切れなくなったっていっても人並みにそこそこは切れるんですよ。
でも、この包丁のベストな切れ味ではないってことです。

UをVにするには両脇の膨らんだ部分を落とさなきゃいけないので、刃はかなり寝かせないといけないはずです。
研ぎましたよ。
ひたすら研ぎました。
たぶん、40分以上は研ぎ続けたはずです。
冗談抜きで2000回ぐらいは研いだはず。

研いだ跡を見てみて、まぁこれならいいか、と思うところまで研ぎました。
さて次は中研ぎです。
しかしその前にやることが。
砥石を平らに直してやらなきゃいけません。
よく見てみるとこの砥石も少し…やや、けっこういびつになってるぞ。

そこで、面直し用の砥石でこすり続けたのですが…。
こすれどこすれど平らになりません。
こ、こんなにボコボコだったのか…。
つまり、私の場合は砥石は悪いわ、腕は悪いわで、ないないづくしのアイウォンチューだったのです。

それと気づいたことがあります。
「砥石はある程度デカい方が使いやすい」。
うちにあった砥石は結構コンパクトだったのです。
大きいほうが砥石に刃が当たる長さが多いので安定するのです。
包丁はいっぺんにすべての刃を研ぐことはできず、根元から順に研いでいくので、大きいほうが研ぐ回数も減ります。

中研ぎと仕上げ研ぎの砥石を直すこと1時間半。
ようやく使えるくらいの状態になりました。もう汗だくです。
そのあと、中研ぎを始めたのですが、やっちゃいました。
「ザクッ。」
指が砥石の角に当たってしまい、ザックリと切っちゃいました。
あー、痛い。
本当にこうゆうことってするのね。
だから説明に書いてあるのね。
こんなことなら角を落としときゃよかったわ。
その後、すぐにすべての角を落としたことは言うまでもありません。

おかげさまで、その後1本あたり1時間をかけて、3本の包丁を研ぎ終わりました。もう4本ありますが、さすがに体力の限界です。
研ぎ始めたのが12時過ぎ。
もう、外が明るくなってきています。
夜中じゅう包丁を研いでいたわけで、昔話だったらリッパな化け物です。

包丁も洗い、砥石も洗い乾かして作業完了!
…なのですが、なんだか指がヒリヒリします。
見てみると左右の指のうち4本に穴が開いています。
もう1本はさっきザックリやったところです。
あまりに夢中で研いだので砥石に指が当たっていることにお構いなしで、指まで研げちゃったのです。
あー、痛い。

でもね、研いだ包丁は見事に切れ味が復活しました。
やり方はやっぱり合ってたわけです。
今回はすごく勉強になりました。

やっぱり道具はちゃんと自分で手入れするべきだと思うんですよ。
でも、このまま包丁研ぎにハマるとそれこそグラインダーでも買いかねません。
さて、残りの包丁はいつ研ぐかなぁ。
指が治ってからでいいよね?

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