通話表。
よく、電話などで字の説明を求められることがある。
また、聞き間違いを防ぐために一文字ずつの確認をすることがある。
現在では主流ではないが、かつて日本では電報が主流だった。
その頃に聞き間違いを防ぐために確認していた表がこちらだ。
朝日の あ
いろはの い
上野の う
英語の え
大阪の お
為替の か
切手の き
クラブの く
景色の け
子供の こ
桜の さ
新聞の し
すずめの す
世界の せ
そろばんの そ
煙草の た
千鳥の ち
つるかめの つ
手紙の て
東京の と
名古屋の な
日本の に
沼津の ぬ
ねずみの ね
野原の の
はがきの は
飛行機の ひ
富士山の ふ
平和の へ
保険の ほ
マッチの ま
三笠の み
無線の む
明治の め
もみじの も
大和の や
弓矢の ゆ
吉野の よ
ラジオの ら
りんごの り
留守居の る
れんげの れ
ローマの ろ
わらびの わ
ゐどの ゐ
かぎのある ゑ
尾張の を
おしまいの ん
実は、この表は母親の実家にあった古い電話帳の裏表紙に書かれていたものだ。
通話表、と言うらしい。
なぜあえてその言葉なのか、と疑問に思うものもある。
しかし涙ぐましい工夫も見られるではないか。
一番確実なのは地名だ。
これは聞き間違いがない。
その中でも、「ぬ」は沼津。
「ぬ」で始まる言葉って確かに少ないし。
沼津、大抜擢である。
さらに大抜擢なのは尾張である。
「を」。
「を」ねぇ。
…難しいなぁ。
ただ、現代で「尾張のを」って聞いて「を」のことだってわかる人は…なかなかいないよねぇ。
あと、かぎのあるゑ。
かぎがあるのはカタカナのヱだよね。
これなんか熟語じゃないし。
特筆はおしまいのんである。
たしかにおしまいだ。
ここまで来ると芸術的なものすら感じてしまう。
…感じないか。
千鳥、三笠、大和、吉野って戦艦の名前だろうか。
なんとも時代を感じるが、その当時、この言葉を知らなかった人はいなかったってことだろう。
つるかめ、留守居…日本語万歳って感じだな。
なんだかなぁと思うものもあるにはあるのだが、そこは「作られたのがだいぶ昔」、ということでご納得いただきたい。
なんで私がそんなにエラそうに言うんだか。
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